2009年4月アーカイブ

受診性低血糖?

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毎月受診する度に昼食後の血糖値が低くなります。

僕は平日の午後に予約して毎月受診しているのですが、会社を出るのがだいたい昼食2時間半後。病院で採血するのがおよそ昼食3時間後になります。

普段は昼食2時間後の血糖値は100~130mg/dlくらいなのですが、受診日は食前とほとんど変わらない状態で、70~90mg/dlであることが多いのです。食事の内容も注射の単位数もいつも同じなので、血糖値が低くなる原因というか要因に思い当たるものがありません。

可能な限りですが、受診日は昼食1時間後と2時間後の血糖値を測るようにしています。車で移動するので、低いといけませんし、普段見たこともないような高い数値も受診前には困ります。通常、食後1時間の血糖値は食後2時間よりも高いことがほとんどですが、受診日の昼食後は食前・食後1時間・食後2時間の値がフラットで変動が小さいのです。

仕事の内容もいつも通りデスクワーク中心で、特に違いはありません。違いがあるとしたら気分的なものでしょうか。仕事を午後早めに終えてしまうという非日常。

昼食2時間後の血糖値が食前と変わらなくても、その後下がらずにそのままフラットに過ごすこともあれば、3時間後には下がってしまうこともあります。そうなると、採血の時間が合致してしまうため、病院での検査結果が低い状態になってしまいます。すると、診察室では「大丈夫ですか?」などいろいろと聞かれてしまうので面倒です。自覚はあるので待合室などでブドウ糖のタブレットをこっそり摂取していますから、きっと診察室に入った頃には80mg/dl前後に調整されているはずです。ケロっとした様子を見て、無自覚性低血糖を疑われているのでしょう。

この受診性低血糖(造語です)は、時としてソモジー効果を引き起こしてしまうようで、普段なら安定しているはずの夕食前血糖値が100を超えてしまうことがあります。待合室でブドウ糖摂取した時には夕食前血糖値が高くならず、「これくらいの症状なら無視でいいや・・・。」と対処せずに放っておいた時に高くなります。血糖値を上げるホルモンが通常よりもたくさん分泌されるシーンを作ってしまうと、必要な分を超えて分泌されてしまうわけで、それに対応するインスリンを自前で用意できない1型糖尿病患者は容易にコントロールを崩してしまいます。状況にもよりますが、食後3時間くらいで低血糖気味の時は微量でよいのでブドウ糖で調整してしまった方がトータルでは血糖値を低く保つことができるようです。面倒なんですけどね。

以下の条件を満たす患者に限定されます。

  • 合併症がないこと
  • 過去5年間のHbA1cが5.6%未満であること
  • BMIが18~24であること
  • 体脂肪率が男性で20%以下、女性で24%以下であること
  • 非喫煙者であること、喫煙していない期間が3年以上であること
  • 飲酒していないこと、飲酒していない期間が5年以上であること
  • 年齢が50歳に満たないこと

厳しいような、厳しくないような、そんな条件です。

こういった治療法が確立されたとき、もし自分に合併症が既にあったり、血糖値や体のその他の管理ができていなかったりした場合、どんな気持ちになるでしょうか?また、タッチの差で年齢がオーバーしていたら自分にはどうにもできないことであるものの、やはり悔しいでしょうか。

どのような治療法にせよ、一定の条件が付くことは予想の範囲内です。それができる自分に可能な範囲であるなら、ぜひ満たして治療を受けたいと考えます。やればできる程度のことだったはずなのに、とひどく後悔するような生き方だけはしたくないです。

「治療法が発見されました。」という文章が、4月1日じゃなくても書ける日が来たらいいな、と思いつつ、今は自分にできることをやって行こうと思うのでした。エイプリルフール、あっちもこっちも冗談ばかり。1型糖尿病発症20年後の合併症発症率は100%に近いとも言われています。ちょっとした手足の神経のスピードの低下や勃起しづらくなるなどという症状は本人すら気付いていない場合も多いそうです。そう言えば、神経のテストなんて、発症して入院した時以来やっていないです。こっちはジョークになりませんね。コントロールすることで少しでも可能性を下げられるなら、やれることは全部やっておきたいです。

治療法が一般市民にも支払い可能なレベルで実用化されるのは、発見されてから何年も掛かるでしょうし、発見のニュースで喜んだところで、自分がその治療を受けられるかどうかはまた別の問題ですけどね。

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