2010年9月アーカイブ

1型糖尿病の病態改善 林教授(徳大大学院)ら発見

1型糖尿病が完治しない理由。そのひとつに、自己免疫が抑えられないというのがあります。自分で自分の細胞を攻撃してしまうのですが、それでも細胞はなんとか増殖を繰り返し、またまた攻撃を受け、元に戻ることができません。

1型糖尿病の検査をするとき、この抗体が陽性であるとほぼ確実に1型糖尿病と診断されます。ほんの一部、既に抗体が陰性である人もいます。

抗体が陰性であるというのは何を意味するのか?それは既に攻撃対象が全滅しているということです。

抗体が陽性であるというのは、攻撃対象がいるということです。膵臓辺りで今でも攻防が続いている状態です。

冒頭のニュースは、免疫細胞などが持つ、たんぱく質を分解する酵素である「カテプシンL」の働きを抑えることに成功した、というものです。自己免疫を抑える方法として大変画期的です。多くの1型糖尿病患者は今でも細胞が増えようとしている状態であり、免疫細胞の攻撃を抑止することさえできれば、勝手に細胞は復活していき、インスリンの自己分泌もどんどん回復していきます。素晴らしい発見です。

現在、自己分泌が少しでも残っている人は、この治療法の対象者で間違いないと思います。

一方、自己分泌が完全に枯渇している人でも絶望するには早いと思います。枯渇というのは、検査できる下限を下回っているものは全部を枯渇と表現しているだけで、実際に細胞が全滅していることをいうのではないからです。

抗体検査で陰性が出ない限り、自己免疫を抑えることで病気が少しでも回復していく可能性があります。

この手法はあらゆる自己免疫で効果を発揮しそうですし、もっと研究が盛んになればいいと思います。とても明るいニュースですね。実用化されるころに自分の細胞が全滅してて治療が受けられないかもしれませんが。そうならないように、HbA1cは低く、1日の中の血糖値のアップダウンも小さくしておくことが大変重要です。残っている細胞に負担を掛けていては全滅が早まってしまいます。フラットなコントロールを。

最近話題の臓器移植について。

本人の意思がどうだったのかわかりもしないくせに、家族の承諾だけで移植が行われるわけです。それが正しいことなのか、間違っていることなのか、そういう難しい議論はしなくていいのですが、事実をきちんと把握しなくてはいけません。

脳死は人の死として、今目の前に転がっているのは死体というわけです。しかし、これにメスを入れ、臓器を取り出すために麻酔が必要です。少なくとも、アメリカでは明確に最初から麻酔をしていますし、日本でもおそらく今は麻酔をしています。

なぜ死体に麻酔が必要なんですか?麻酔をしなければどうなるのですか?誰でもそう思いますよね。麻酔って何を目的に使うものでしたっけ?そう考えると理由は想像できます。

自分の家族が動く死体になったとして、そこから体の中身を取り出すような真似、絶対させませんよ。僕は。

自分が移植される側だったとしても、希望しませんね。移植を待つということは、誰かが死ぬのを待つということ。まともに機能しない膵臓しか持っていませんが、どこかで誰かが生きたまま臓器を取り出されているのだと想像したら、移植する前から精神的に拒絶反応でますよ。そんなもん、絶対要りません。

調べれば調べるほど、これら一連の動きに疑問を感じます。麻酔しないと動き出してしまう「死体」、なぜかほとんど(スケジュール的に手術室が空いている)週末ばかりに予定される移植手術。なんなんですか。

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