1型糖尿病らくらくコントロールでタグ「インスリン」が付けられているもの




2015年には、現在の主要なインスリン製剤の特許が切れるとか。

米ファイザー 、印バイオコン製のバイオ後続品インスリンを販売へ

インスリンの市場って140億ドル規模なんですね。なんて大きな市場なのでしょうか。ファイザーが合意に前払い2億ドル。ファイザーの規模から考えるとそれほどのものではないにせよ、大きなお金です。

ヒューマログやランタスもやがてはジェネリックで、ということは、少なくともこの後の数年でヒューマログやランタスがまるでゴミになるような、革新的な製品が開発される可能性は0だろうと業界では判断されているということですかね。

しかし、合意の対象って広いんですねえ。

デンマークノボ・ノルディスクノボリン/ノボログ
アメリカイーライ・リリーヒューマリン/ヒューマログ
フランスサノフィー・アベンティスランタス

 

「BD マイクロファインプラス™ 32G x 4mm Thin Wall」が発表されました。
http://www.bdj.co.jp/press/2010510.html

ベクトン・ディッキンソンの31Gを利用中です。

以前はノボノルディスクファーマの「ペンニードル®32Gテーパー」も併用していたのですが、針が2種類処方されるのが面倒(超速効型と中間型で使い分ける意味がわからない)と主治医に言ったら、気に入った方(31G)ひとつに統一されました。

ナノパス33(33G)などは1ヶ月しか使ったことがないのですが、それほど良い商品だと思いませんでした。痛い時は普通に痛いし、思ったよりインスリンの出が悪くて、針を抜いたら注入し損なっていたことも数回ありました。針を刺す前に痛いところと痛くないところを針先で探すようになってからは、31G・32Gテーパー・33Gのどれでも痛みに関しては同じではないだろうか?と感じるようになりました。

今回の32Gについて興味があるのが、現在利用中の31Gとメーカーが同じであること、そして、針が短いことです。ノボの32Gテーパーは針が6mmあります。一方、BDの新しい32Gは4mmです。筋肉に刺さると困る注射なのだから、針が短い方が良いです。つままなくても変に深く刺さることもないですから。

積極的に31Gから乗り換えようとまでは思わないのですが、奨められたらちょっと試してみてもいいかなくらいには思える商品です。

バターやサラダ油を単体で摂取してみればわかりますが、1型糖尿病患者が計算すべきポイントはありません。

ブドウ糖を飲んでテストするOGTTというものがありますが、世の中にはOFTTといって、バターを35gを食べて血糖値を測るテストがあるそうです。よくそんなに食べられるものですね。このテストでは一般的に血糖値は上がりませんし、健常者が受けた場合でもインスリンの分泌量はテスト前と変化ありません。

1型糖尿病患者が油物を食べると、4時間とか6時間とか経ってから血糖値が急上昇することから、まるで油でガンガン血糖値が上がるかのように勘違いしてしまうようです。超速効型の効果を表すグラフによると、インスリンの効果は4~6時間くらいで切れます。ピークが1時間や2時間であることから、効いている時間が2時間くらいであると勘違いしてしまいがち。実際、油脂が多くなると、一緒に摂取した炭水化物を吸収するために必要な時間は、超速効型インスリンの効果がある時間を越えてしまいます。それは、インスリンを注射せずに炭水化物を摂取したのと全く同じことで、それはそれは血糖値がびっくりするくらい急速に上昇しても当たり前の話です。

もし、油脂にそれほど血糖値を上げる力があるなら、非常食、いや、食料に困っている国への援助は炭水化物中心のものをやめて脂質中心にすべきです。同じ重さで言えば、炭水化物に比べて脂質はカロリーが2倍以上。有利じゃないですか。実際には脂質を摂取しても何時間経っても期待するような血糖値の上昇はないので採用されないのですね。

ところで、OFTTですが、血糖値やインスリンの変化を3時間程度しか観察していないのが一般的なようです。それはそれで実験の意味が薄い気がします。実際、12時間、24時間と食事もせずに観察しても、「うわっ!食事から半日も経ってるのに急に血糖値が200mg/dlを超えた!」とかはないです。

でも、人間の体はうまいことできているので、炭水化物をほとんど摂取せずに、脂質とたんぱく質しか摂らないような生活をすると、ちゃんと血糖値は上がるようになってます。当然、こうやってできた血糖の代謝にもインスリンが必要なので、1型糖尿病患者が炭水化物を一切排除したとしても、インスリンの注射からは一生逃れられないわけです。納得。

ノボリンNの秘密

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久しぶりの更新にもかかわらず、今更かよ!ってな内容でなんなのですが。

僕は基礎として中間型(ノボリンN)を使っているのですが、説明を受けたことがないため、今まで知らずに来た「常識」を最近知りました。それは残量についての制限です。

残量が12単位より少ない場合新しいものを使用してください。
使用説明書 より)

つまり、残り12単位未満(11単位以下)のものは使うな、ということです。

入院時、初めて注射を手渡された時の説明では、そのようなことを聞かされておらず、最近になるまで説明書を見たこともなかったのです。理由は説明書によれば「液を均一に混ぜることができない」ためだそうで、そりゃ困るじゃないですか、と。

知らなかったので今までは意識せずに通常の手順通りに使っていました。問題はないようです。知ってからも試しに使ってみていますが、有意な差は見られません。念のため使用を制限しているということでしょうか。一応、初回時のようにてのひらで転がすように混ぜてから振って混ぜています。

・・・と書いてみて気付きました。初回に転がして混ぜろなどとはどこにも書かれていないような・・・。誰からそう聞いたのかわかりませんが、初回はいつも転がしていますし、なんだか気分で毎回転がしています。それっぽく綺麗に素早く混ざるので、こういうものだと思っていたのですが、一体なんなんでしょうか。

知らなくても知ってても結局行動は同じじゃないかと、という何のオチもない展開に。ただ、何かを使う時には説明書に目を通すくらいしなさいよということだけは確かですね。例え専門家の説明を聞いたとしても。少なくとも、医師や看護師は資格的にはプロ・専門家ではあるものの、完璧ではありません。努力という言葉を知らない者や、傲慢という単語が自分に無関係だと思っている者も少なくはありません。

説明書を見ていると他にも気になる記述が二つありました。

一つ目は初回の空打ちの回数について。6回空打ちをしても液が出てこない場合は使うなとあります。今まで何十本と使ってきましたが、これに該当する不良品は見たことがありません。経験では、2回の空打ちで液が出ず、3回目で出ることが多いです。別の製品の話になりますが、ミリオペンでは初回はたいてい3回の空打ちで液が出ず、4回目で出ることが多いです。なんだか300単位の内の最初の8単位が無駄になったような、そんな気持ちです。不良品は買ったところで新品に交換してもらえるのですが、嫌ですよね。

 二つ目は設定した単位数のダイヤルと実際に出る液の量の関係について。ノボリンNの説明書によると、20単位に設定してキャップの中に液を出した場合、細くなった部分を満たすと書いてあります。針のメーカーを指定していないのですが、どのメーカーのキャップも同じ形状・容積なんでしょうか?もったいないので自分でこのチェックをすることはおそらくないんですが、多少気になりました。

とにかく、注射を無駄にするのが嫌なんです。だって、この注射を購入するために、自分では3割しかお金を払っていないわけで、7割は他人に負担してもらっているわけですから。従量制で保険が効くっていうのはありがたい反面、申し訳ない気持ちもあります。誰に負担を掛けているのかを意識して生きていける人間でありたいと思います。厚顔無恥でありたくないというか。

バナナダイエット

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最近、スーパーマーケットなどの店頭ではバナナが品薄みたいですね。バナナダイエットというものが原因のひとつだそうですが、本当にもうね、アホかとバカかと。

僕も子どもの頃太っていたのでよくわかりますが、まずこれだけははっきりさせておかなければなりません。

  • 子どもの肥満は100%親の責任である
  • 大人の肥満は100%本人の責任である

太っている人、かつ、上記をすぐに頭から否定したくなる人は一生太ったままかもしれません。誰かのせいにしたり何かのせいにしたりと、原因を自分の食事以外のところに求めることが太る原因であることに気付かないのに、うまく自分の体がコントロールできるはずがありません。こういう人は何かマヌケなダイエットで一時的に体重を減らすことができたとしても、死ぬまで維持するのは無理です。どうせまた太ります。

バナナダイエットに限った話ではありませんが、何か単一の食事にしたりであるとか、絶食するであるとか、そんなものをありがたがっていることほど馬鹿げたことはありません。それまでの生活で太ってしまったのに、一時的にそんなことをして何になるのでしょうか。

そういうダイエットをしている人は、それがいつか「終了」すると思っています。その時点でアウトなのです。終了を迎えて元の生活に戻れば、それまでのダイエットと同じかそれより短時間で元の体重に戻り、そして、元の体重以上に増えることもよくあります。

ダイエットの標的にした食事以外ではブタのようにむさぼり喰い、酒を飲み、歯も磨かずにゴロゴロし、体重計に乗って嘆いてはお金を払ってくだらないジムに通い、醜いぜい肉を揺らしながら臭い汗を撒き散らし、そして疲れた疲れたとぼやきながら、思いついたように昼飯はダイエットクッキーやダイエットケーキと名づけられた家畜のエサのようなものを食事の代わりに肥大しきった胃へ流し込む生活。

・・・と上記を見るとどんな化け物だよ・・・と思ってしまうのですが、いやいや、多いのですよ、こういう人。そんなの一生やるんですか?と。仮に続けられたとして、それって生きてる実感あるんでしょうか。

僕は学生時代に柔道をやっていた頃は今よりも30kg以上重い、重量級選手でした。当然、選手じゃなくなり、普通の社会人として生きていくにはそんな体は必要ないので痩せました。体重を減らすために特別な運動や特別な食事が必要なのではなく、普通に生活し、普通の食事内容で、わずかに(食べてる本人が減っていることに気付かないくらい)バランスよく食事の盛り付けを減らすだけです。

たったそれだけのことなんですが、当たり前に痩せます。当然です。どんなに少しでも、食べている量が少ないのですから。たったそれだけのことなので、体重が標準的なものになった時に食事の量を元に戻してもほとんど何が変わったのか気になりません。

糖尿病の患者になっても全く同じで、体重をコントロールするのに特別なルールはありません。その他の病気で普通の食事が取れない状況にならない限り、家族と同じものを食べながらできます。

よく、インスリン注射をすると太るとか言いますが、そう感じるのに食事量を調整しないのは、単純に「食べすぎで太ってる」だけですし、それに気付かずに「ランタスにしたら太る!太る!薬のせいだ!注射のせいだ!!」とわめき散らすのは誰かが止めてあげないといけないのかもしれませんね。使う薬剤の変更によって、代謝のリズムやバランスは変わる可能性はあるのだから、必要な食事量が減ったのであれば、食べる量を合わせて減らせばよいだけのこと。そんなものは病気があろうがなかろうが関係の無いことです。以前と食べる量が変わらないのに最近太るんだよな~と思えば誰だって食べる量を減らします。

そういう、当たり前のことを当たり前と思わずに、何でもインスリンや病気のせいにしている人って多いですよね。そういう人に向かっていちいち何か言ってあげるのは医者や家族だけで十分だと思いますし、僕も面と向かって言ったりはしないのですが、そういう人たちって医者や家族がせっかく言ってくれてるのに、「あいつはわかってない!」みたいな状態になって、結局一生太ったりダイエットだと騒いだりを繰り返していくのでしょう。

そして、そういう人たちの大騒ぎに巻き込まれて今日もバナナは品薄なのです。いやはや、困ったものです。なぜって?僕はバナナが好きなので毎朝食べているからなのですよ。えへへ。

価格が上がるのは別にいいですけど(欲しい人同士での価格の引っ張り合いは、この社会の中ではとても正しいことだから)、価格が上がる暇も無く品物だけなくなるのはやめて欲しいですね。多少ボッタクリ気味でも最後の少量が在庫として残るように売る側も調整すべきです。

というわけで何かひとつのものを食べるだけのダイエットなんてやめて、普通の食事しましょうよ。>痩せたい人

休前日は朝方まで遊んでいることが多いです。

基礎インスリンとして中間型を寝前1回打ちしている都合上、明るい時間帯は基礎インスリンがほとんど切れている状態で毎日を過ごしています。

それでも高血糖状態にならないのは、朝食や昼食の時刻がある程度決まっていて、超速効型が決まって注射されることがわかっているからです。基礎がなくても、食事ごとの超速効型でついでに代謝されているので目立った高血糖にならないだけと言えます。

つまり、食事抜きが苦手ということです。

夜通し遊んで朝寝て、昼前に起きる。昼食前の血糖値を測定すると110mg/dl前後、悪い時は120mg/dlまで上がってしまっています。この時、朝寝る前の血糖値が80~90mg/dlであることがほとんどなので、5時間か6時間の睡眠中にじわじわ30mg/dlくらい上がってきていることになります。

これが平日にも発生しているのかどうかは睡眠のリズムの関係もあって僕には正確にはわかりませんが、対処しなければ毎週末に食前高血糖を発生させてしまいます。食事抜きだから完璧には対処できなかったとしてももう少しなんとかしたいところです。

そこで、徹夜明けの朝、寝る前に中間型を少し打つことにしました。最初は1単位から試して行き、低血糖にならずに高血糖も回避できる量を探りました。僕の場合、朝寝る前に中間型を4単位打つと昼前が100mg/dl未満に抑えられる可能性が高いようです。

それ以来、徹夜+朝食抜きで昼まで寝る時には、朝寝る前に中間型4単位が習慣となりました。しかし、それでも完璧ではなく、前日の遊び具合+徹夜で食べたものの後遺症によっては起きた時(昼前)に120mg/dlくらい行ってしまう事も度々あるのですが。それでも対処なしよりはマシだと考えています。

中間型は超速効型と違い、多く打ってしまった時の低血糖の対処が長時間に渡るため、あまりテクニックを駆使して弄り回さない方が良いと考えているので、今はこの程度しか応用できていません。

インスリンの注射をするようになって初めて気になったのが「そもそも病気になる前はどれくらいのインスリンが必要だったのか?」です。

結論から言うと、注射している量に近いはずです。では、注射を初めて導入するときに、目安となる値はどのように求められているのでしょうか?

インターネット上の情報はいろいろありますが、どうやら「体重1kgにつき・・・」という表現が一般的なようです。肥満がなければ(標準的な体重であれば)、かつ、食事の内容(炭水化物の占める割合)が一般的な日本人であれば、体重の0.5~0.7倍の単位数のインスリンが必要だそうです。

1型糖尿病でも、太っていたり運動していなかったりと、2型糖尿病に近いメタボ具合の人もたくさんいますから、インスリンが体重の1倍、もしくはもっと多く使われている場合もあるようですが、体の小さな女性であれば、25単位くらい、体の大きな男性であれば50単位くらい使っていたりするようです。

僕の場合だと、体重74kgでインスリンは超速効型26単位+中間型10単位で合計36単位使っています。発症当時は自己分泌が残っていたのでもっと少ない注射量だったのですが、運動量や食事の内容から考えて妥当な量になりました。ご飯やパンが多い食生活になれば、50単位くらいは使うと思います(普段は白米なら200g、パンなら6枚切り2枚が僕の標準量です)。

太ったり運動しなくなったりすると、いつもと同じ量の食事と同じ量のインスリンなのにコントロールが悪くなった経験があります。インスリン抵抗性というほどの状態ではないにせよ、必要とするインスリンの量が確実に多くなります。それまで足りていたものが足りなくなるには理由があるわけで、それが生活習慣として良くないものであるならば、インスリンを増やして対抗するのではなく、生活をまともにしなくてはいけませんよね。

1型糖尿病で血糖値のアップダウンが激しく、全体としてもコントロールが良くない人で、一日のインスリン量が多い人は改善すべき点をノートにまとめた方が良いかもしれません。なぜ多くのインスリンが必要になってしまうのか、納得できる点と異常な点に分類すると意外と悪いところってあるものです。

1型糖尿病患者にとって、何かを食べる時に常に気にしなくてはならないのが、

  • どれくらいインスリンを注射したらいいの?

これに尽きます。これから食べようとしているものの栄養成分が明らかになっている場合なら、計算の方法もわかりますが、必ずしも表示があるとは限りません。予測して試すにしても、手掛かりすらない状態で闇雲にインスリン量を決めるのも危険です。重篤な低血糖や高血糖の原因は完全に計算からはずれているインスリン注射の使用です。大きくはずれれば死亡することもありますし、それが乗り物や機械の操作中であれば、自分だけではなく、家族や友人、そして無関係の人々に怪我をさせたり殺したりする可能性だってあります。そんなことになるくらいなら食べない方がマシです。

軽微な低血糖や高血糖であれば、それもデータ収集の内。今後の糧であると納得しつつ修正していけば済みます。よって、手掛かりとなる計算方法、情報があれば良いということになります。

栄養成分表示で「1個あたり」「1食あたり」という表現と共に良く見掛けるのが「100gあたり」という表現です。

「100gあたり、炭水化物21.4g」という表記があったとして、これはどのように応用したら良いでしょうか。「1個あたり、とか1食あたりで書けよな!プンプン!」という人もいますし、そういうブログも見掛けますが、見当違いな意見だと僕は考えます。

答えは簡単で、これこそ食べ物の重さと炭水化物の重さの比そのものです。上の例で言えば、21.4%だということです。誤差や個体差というのは否定できませんが、概算として、

  • 白米 37%
  • 食パン 50%
  • フライドポテト 32%
  • じゃがいも(水煮) 17%

このような例があります。これを知っておけば、例えば今日の朝食で食べる食パンの炭水化物は何グラムで、対応する超速効型インスリンは何単位なのかが計算できます。なんとなく食べたくなったフライドポテトだって目安となる計算ができるということです。

こういった計算は「100gあたり・・・」という栄養成分表示であれば、炭水化物の欄に記載された重さそのもののことを指しますし、「1食(240g)あたり炭水化物62.7g」という表記なのであれば、

62.7[g] / 240[g] = 0.261

と、26%だと計算してメモっておけば使えます。

話が簡単ではなくなるのが、食べ物は食材そのままで食べるばかりではない、ということです。加熱調理したりするわけで、水分量が大きく変わります。水分量が変わるということは全体の重量が変わるということになりますから、調理法によって適用すべき数値が違うという点です。

解決策は2点あって、

  • 生の状態でのデータを使い、調理前に計算しておく
  • 調理方法別のデータを使う

です。どちらも有効な方法で、知っておくべきです。後者は簡単で便利な分、情報量がとてつもなく多くなってしまいます。

しかし、心配は要りません。便利なものがあります。それがグリコ すぐわかる 栄養成分ナビゲーターです。「一般食品index」へ進み、調べたい食品の名前で検索します。そして、可食部100gを指定して計算するだけで、良くある調理法別に情報を得ることができます。

よく食べるであろう食材については「あれが何%、これが・・・」とメモっておくと良いです。

こだわり過ぎて、炭水化物の割合が1%や3%のものまで細かくメモって計算し始めると、ご飯食べるのが嫌になってしまいます。1%の割合のものを100g食べたところでどうせ炭水化物1gです。血糖値にして4mg/dl。もうどうでもいいです。そんなの誤差の範囲です。血糖値の測定器、誤差がどれくらい出ているのかを知っていれば笑って済ませられます。

よって、こういう計算をするのは、

  • ご飯、パン、麺類などのいわゆる「主食」と呼ばれるもの
  • じゃがいも、さつまいも、かぼちゃなどの炭水化物の割合が高い食べ物
  • おやつ

あたりに限定してはどうでしょうか。だいたいこれだけでも不自由しないものです。これだけでも知っているのと知らないのとでは天と地の差があります。血糖値の乱高下を繰り返し、HbA1cが5.8%を超えてしまうような人の多くがこういう計算を知らない、もしくは、無視しています。無視してコントロールが悪いのは本人の意思なので別にどうでもいいんですが、知らないで苦労しているとしたら悲しいことです。簡単なことなのでぜひ知って欲しいです。

こういう計算は食品それぞれの誤差や個体差は当然あります。ちゃんと計算したつもりでも少し外れてしまうことだってあります。外れてしまうなら無駄だと考えることもできますし、致命的な外れ方しないためには有効と考えることもできます。僕は後者の考え方です。

例えば、白米を37%で計算したら、どうしても血糖値が高くなってしまう、というのであれば、40%に修正してしばらく過ごしてみる、などの工夫ができます。そうやってデータを収集し、自分なりにカスタマイズしていけば、必ず自分にとって使えるものが構築されます。発症してから死ぬまでの長い期間使える情報ですから、コストパフォーマンスの非常に高い情報だと考えます。

1型糖尿病は生活習慣病ではないので、2型糖尿病のような食事制限は必要ありません。よって、なんでも自由に食べられます。

とは言うものの、何かを食べる度に血糖値をむちゃくちゃに変動させ、コントロールを失うようではあっという間に合併症になったり、死亡するまでの期間が短くなったりします。それでも幸せな人はむちゃくちゃで良いのでしょうが、僕はそんなの嫌です。

というわけで、好きなもの食べつつも、それなりにコントロールできる方法について考えます。

まず、インターネットで検索して一番簡単に見付かり、多くの人が実践するであろう方法について。それは500ルールとか1800ルールなどという言葉と共に登場することが多いみたいです。1単位のインスリンで代謝できる炭水化物の重さについての計算方法です。

  • インスリンの単位数
  • 炭水化物の重さ
  • 血糖値

これらには不確定な変動要素を除いてざっくりと計算できる、大雑把な関係が存在しているはずで、それを簡単にまとめたものが500ルールや1800ルールです。

(インスリン1単位で代謝できる炭水化物の重さ) = 500 ÷ (1日のインスリン総量)

(インスリン1単位で下がる血糖値) = 1800 ÷ (1日のインスリン総量)

また、義務教育の数学の教科書を読んだことがある人なら、上記のふたつの式を見ることで、炭水化物をどれくらい摂取すると血糖値がどれくらい上がるのかが見えてくるでしょう。

一般的には、インスリン1単位で代謝できる炭水化物の重さは10~15gになるようです。僕の場合は1日の総インスリン量からは計算が外れますが、インスリン1単位で12gの炭水化物を代謝することができるようです。もっと数字を丸めて、次のように定義してみました。

炭水化物12g = インスリン1U(単位) = 血糖値50mg/dl

(炭水化物1g = 血糖値4mg/dl と換算)

数学的に矛盾が無いように書くと血糖値は45mg/dl、炭水化物は12.5gとすべき(1日の総インスリン量を40単位と仮定)なのですが、50mg/dlの方が簡単に応用できるため、このようにしています。

応用範囲は意外と広いというか、むしろ、生きていく上で遭遇する多くのシーンで活躍してくれます。

 

【応用1】食事・おやつ

 「このチョコレート食べたいんだけど、注射どうしたらいいんだろうか・・・?」このお菓子の箱には栄養成分表示があり、「炭水化物37.1g」となっていました。そこで、

37.1[g] / 12[g/U] = 3.1[U]

という計算によって、超速効型を3単位注射することに決めました。

 

【応用2】低血糖

「なんかフラフラするな・・・。」食後5時間で体調の変化を感じたので血糖値を計測してみると57mg/dlでした。食事から5時間経過しているということで、通常であればだいたい次の食前血糖値に等しいはずで、平均的には70~90mg/dlのはず。よって、現在は20mg/dlくらい低くなってしまっているということになります。そこで、

20[mg/dl] / 4[mg/dl・g] = 5[g]

という計算によって、炭水化物を5g摂取すべきだとわかりました。そこそこ短時間で血糖値を上げるために、スティックシュガー6gを1本飲みました。おそらく血糖値が25mg/dl前後上がるものと予測しました。2・3分で低血糖の症状がなくなり、次の食前血糖値は79mg/dlだったので予想の範囲内でした。こんなに簡単な計算ができるだけで、低血糖の対応としての補食で血糖値を無駄に上げてコントロールを乱すという間抜けな生活をせずに済みます。

 

【応用3】食前血糖値が高かった場合の調整

さて、これから夕食です。普段は食前血糖値が80mg/dlくらいのはずなのに、今日のお昼ご飯のインスリンの計算をはずしてしまったようで、食前血糖値が117mg/dlもありました。普段よりも37mg/dl高く、コントロール上限の99mg/dlから見ても18mg/dlのオーバーです。

お腹もあんまり空いていなかったので、通常の食事量よりも白米を少し減らすことにしました。食べたくないのだからちょうど良かったです。

普段の血糖値との比較、また、コントロール上限との比較からざっくりと考えて、25mg/dl分相当の白米を減らすことに決めました。白米の重量の炭水化物重量比は37%と考えて、

25[mg/dl] / 4[mg/dl・g] / 37% = 17[g]

という計算で、いつも200g食べている白米を183gに減らしました。ほんの一口なんですけどね。

逆にお腹がいつもよりすごく空いているから、ご飯とインスリンを両方増やして血糖値も合わせていく日もあります。

通常であれば、超速効型インスリンを3単位増やして、ご飯を100g増やせば計算が合いますが、上記計算で血糖値を合わせるために17g減らすことがわかりますから、今日の場合はインスリンを3単位増やし、ご飯は83g増やせば良いということになります。283gのご飯・・・。どう見ても何かのどんぶりです。大盛りです。

ちなみに、すき家の牛丼の大盛と特盛、メガ牛丼はどれも白米320gです。

応用3で出てきた、白米の重さの37%が炭水化物の重さに相当する・・・という考え方は別の機会に少し詳しく書いてみたいです。この考え方ができれば、いろんな食材に対する応用計算ができるようになります。より自由に食事しつつ、血糖値をより良くコントロールできることになります。

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