インスリンを使う人とは

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某新聞の話。

「インスリンを使っている人 = 1型糖尿病患者」と、よくある勘違いをした記者が書いているようです。

インスリンの注射を使っている人を見たら、それが1型である確率よりも2型である確率の方が高いです。すごく大雑把な計算ですが、糖尿病患者全体に対する1型糖尿病患者の割合は、どんなに多く見積もっても10%です。つまり、90%は2型糖尿病患者と言えます。意外かもしれませんが、2型糖尿病患者の中のインスリンユーザは多いようで、25%とも言われています。日本での話です。

世間では「インスリンユーザ = 自己管理ができてない糖尿病末期のダメ患者」という意識を持った人がたくさんいますが、これって100%間違った考え方とバッサリ否定できるとも思えません。実際、そうである場合もあるのですから。

一部は1型糖尿病患者であり、自分では発症も避けられなければ、完治することもなく、生きるために仕方なく注射しています。

一部は積極的に血糖値をコントロールし、経口薬を使わずに注射からの離脱も目標とする前向きな2型糖尿病患者です。

一部は2型糖尿病だけどインスリンがどんどん分泌されなくなってきたなどの理由で、生きるために仕方なく注射しています。

そして一部は生活を見直すこともなく、本当はインスリン注射なんて使わなくても普通に生きていけるのに、または、行けたのにそれを放棄するダメな2型糖尿病患者です。

注射している人を見て、誰がどんな風に思うのも、思う側の自由です。

僕は人前で注射することも、血糖値を測定することもありません。

「恥ずかしいから?」

それは違います。見た人・居合わせた人のほんの一部にも不愉快な思いをさせたくないからです。注射と聞いただけでも気分が悪くなる人がいることを知っています。せっかく楽しい食事に来たのに、病院のにおいが漂ってくるのを嫌がる人がいることを知っています。むしろ、僕だって嫌ですね。

レストランで赤ちゃんのおむつをテーブルで交換した人を見たことがあります。

こういう話をすると、すぐに「恥ずかしくないですよ!」「意外と平気ですよ!」と自分視点の話ばかりする世間知らずが偉そうに語り始めたりします。病気だからこんな程度の低い意識なのか、本人の育った環境が悪かったのかは知りませんが、他者の立場にも「色々ある」こと、嫌だと感じる人がいるかもしれないことを理解しようとしないその考え方が最も恥ずかしいと感じます。他人に配慮した行為で他人に嫌な思いをさせる可能性は低いですが、配慮の無い、自己中心的な行為は少なからず他人に嫌な思いをさせることだってあるのです。

特に、普段は人前で注射しないのに、患者集めて大騒ぎした上、人数が集まればへっちゃら!みたいな顔して人前で注射するような人。軽蔑します。健常者ですら、飲食を質素にして、一生懸命働くことでしか生きられない人が増えている中、病人が、保険で7割を国民みんなに負担してもらって酒飲んで騒いでいるんですよ。こういう人が病気に対するイメージを悪くしているんです。

どんな人から見ても、注射をしているのを見れば「どこか悪いのかな?」くらいは想像できます。よほどのアホじゃない限り、それに対して公的な資金が使われていることも想像できます。それが酔っ払って騒いでいたりするわけですよ。同じ目で見られたら?と想像したら、やっぱりちょっと恥ずかしいかな。

新聞にいろいろ無理して書こうとする心は悪いものではないんですが、大きな影響を与えるメディアを使っている自覚があるのであれば、もう少し取材するなり勉強するなりして、何も知らなかった人が「へえ、そうなんだ。」と正しい知識が得られるようにして欲しいです。

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