普段の食生活

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入院中は完全に2型糖尿病患者として扱われていたため、出てくる食事はいわゆる「糖尿病食」。失礼な言い方かもしれませんが、普通の感覚から言えば食事というよりむしろエサに近いです。

そもそも日本の2型糖尿病治療でいう食事療法というのは、カロリーしか見ていない時点で血糖値をコントロールするという目的が皆無であると言えます。カロリーは体重をコントロールする上で大切な数値になりますが、カロリーと血糖値の間には数学的な関係が成立していない以上、血糖値をコントロールする上でカロリーに目が奪われているのは大変間抜けな話です。

事実、病院で出てくる食事というのは、カロリーは計算されていますが、注射の単位数を固定していると血糖値が乱高下しました。今思えば当然の話です。この食事、炭水化物が大きく変動してしまっているからです。

そもそも炭水化物・たんぱく質・脂質に分けて考えると、たんぱく質と脂質は血糖値をほとんど上げません。詳しいことは代謝の専門書などに書いてありますが、必要最低限の炭水化物が摂取できている状態であれば、わざわざたんぱく質や脂質を効率が悪さを無視してまで糖に変換しません。使いやすいものから使うのが効率が良いです。よって、血糖値に直接的・短時間で影響を及ぼすのが炭水化物となるわけです。

つまり、何も考えずにいつも同じように注射する単位数を固定していても、かなり安定した状態で血糖値をコントロールするために必要な食事について考えれば良いということなります。

食事のバランスは各家庭・個人・国・宗教によってさまざまで、どれが正しいということはないと思いますが、大切なのは、毎日の食事の内容をそれなりに揃えるということだと考えます。

一番シンプルなところで言えば、食事全体のカロリーが炭水化物・たんぱく質・脂質のそれぞれでどのくらいの割合になっているかを見るとわかりやすいです。日本で良く奨められているのが、

  • 炭水化物60%、たんぱく質20%、脂質20%

というバランスではないでしょうか。現在の日本で食事にあまり気を使っていない人であれば、

  • 炭水化物30%、たんぱく質25%、脂質45%

など、油脂類の摂取が大きく割合を占めている場合もあるかもしれません。これはこれで、悪くはないと考えています。国全体でこのような栄養バランスで成り立っているところもあるはずです。

大切なのはここからで、食事全体のカロリーを気にしつつも(太ったり痩せたりしたくないので)、この割合を日々大きく変動させないということです。だいたい毎日似たようなバランス・量で生活するという当たり前のことが血糖値のコントロールにはとても有利です。

僕の場合だと、普段の食生活では炭水化物を1食でだいたい100gくらい摂ることにしています。炭水化物の摂取量が決まってしまえば、注射の単位数もほぼ決まります。だから、普段の食事の時には何も考えずにいつも同じように注射を打って、それで血糖値はそんなに気にしなくても正常な範囲でいてくれます。

ちょっと食事には気をつけている家庭(最近だと幼稚園や小学校でも食育に関する講演会がありますね)では、こんなことは当たり前なのですが、少なくとも我が家では、僕の発症前はかなり無頓着でした。食事の量やバランスは毎日変動していました。

発症をきっかけに、子どもも食べている家庭の食生活について見直すことができました。結果として、血糖値のコントロールもついでに楽になったということなので、最初からそこを目標にはしていなかったのですが、気付いて良かったと思います。

普段、ちゃんと安定した食生活をしていると、たまにそこから外れるような食事をする時にも、普段の基準と比較して予想・算出される必要インスリン量と、食事そのものを分析して算出される必要インスリン量の2本立てで計算ができるため、計算を大きくはずすことが極端に少なくなるという強烈なメリットがあります。

いつもの食事とは大きくかけ離れたメニューでも楽しく食事しながらコントロールもバッチリ決めるためには、日頃、子どもも含めて安心して過ごせる安定した食生活が大切だと思います。

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