世界各国が日本からの輸入を次々に規制していますが、その時に参照される国際的なガイドラインは、1kgあたり100ベクレル以下というものらしいです。それを超える場合に規制するということらしいです。
2011年3月17日、つまり、原発事故の後のことですが、厚生労働省医薬食品局食品安全部長の名前で放射能汚染された食品の取り扱いについてという文書が出ています。この中で放射性ヨウ素について、飲料水で300Bq/kg、野菜類で2,000Bq/kgというとんでもなく高い数値を摂取制限に関する指標値として示しています。
防災対策のためなので、常識的な普段の基準値を数十倍・数百倍にごまかして一般市民をコントロールするのはわかります。しかし、問題はそこではないです。
例えば、シンガポールは静岡県産野菜などを輸入停止としました。その根拠は、静岡県産の小松菜からヨウ素131を含む3種類の放射性物質を新たに検出したことにあるといいます。ヨウ素131が648Bq/kg、セシウム134が155Bq/kg、セシウム137が187Bq/kgだそうです。確かにガイドラインの100Bq/kgを超えています。
同じように、「日本産輸入食品に対する放射能検査」の結果を根拠として、シンガポールは福島・茨城・栃木・群馬の牛乳・乳製品・果物・野菜・魚介類・肉類の輸入停止を決め、さらに、千葉・愛媛・神奈川・東京・埼玉の野菜・果物の輸入停止も決定。そして、静岡の野菜の輸入停止も、というわけです。
ここで問題なのが、シンガポール政府が発表した数多くの情報で、「初耳」と言えるものが少なからず含まれる点です。シンガポールの政府が間違っているのか、それとも日本の政府が公表していないのか。
おそらく日本の政府が公表していないだけではないかと考えています。「野菜は2000ベクレルまでOKって言ってるじゃないっすか!!」って感じでしょうか。日本での検査は、なぜか「水洗いしてから」という独自ルールに黙って変更されています。洗ってもそんな数値が出るってことです。洗わずに正しく測定・検査している海外の調査団よりも圧倒的に低い数値が出ても当然です。そうやって低くした数値ですら、世界はびっくりしているわけですが。
ちなみに、トモダチのアメリカも170Bq/kgで輸入停止というか、政府の介入がありましたよね。そういう数値であるということを日本国民はちゃんと理解しないといけない気がします。
高速道路を200km/hで走る車に対して、ふたつの対策があります。ひとつは取り締まって100km/hで走らせること。そして、もうひとつは制限速度を300km/hに上げてしまうことです。どちらの方法でも違反をなくすことができます。素晴らしいですね。でも、僕たちは高速道路を200km/hで安全に走るのが難しいことを知らなければなりません。