1型糖尿病らくらくコントロールで「HbA1c」と一致するもの




1型糖尿病の病態改善 林教授(徳大大学院)ら発見

1型糖尿病が完治しない理由。そのひとつに、自己免疫が抑えられないというのがあります。自分で自分の細胞を攻撃してしまうのですが、それでも細胞はなんとか増殖を繰り返し、またまた攻撃を受け、元に戻ることができません。

1型糖尿病の検査をするとき、この抗体が陽性であるとほぼ確実に1型糖尿病と診断されます。ほんの一部、既に抗体が陰性である人もいます。

抗体が陰性であるというのは何を意味するのか?それは既に攻撃対象が全滅しているということです。

抗体が陽性であるというのは、攻撃対象がいるということです。膵臓辺りで今でも攻防が続いている状態です。

冒頭のニュースは、免疫細胞などが持つ、たんぱく質を分解する酵素である「カテプシンL」の働きを抑えることに成功した、というものです。自己免疫を抑える方法として大変画期的です。多くの1型糖尿病患者は今でも細胞が増えようとしている状態であり、免疫細胞の攻撃を抑止することさえできれば、勝手に細胞は復活していき、インスリンの自己分泌もどんどん回復していきます。素晴らしい発見です。

現在、自己分泌が少しでも残っている人は、この治療法の対象者で間違いないと思います。

一方、自己分泌が完全に枯渇している人でも絶望するには早いと思います。枯渇というのは、検査できる下限を下回っているものは全部を枯渇と表現しているだけで、実際に細胞が全滅していることをいうのではないからです。

抗体検査で陰性が出ない限り、自己免疫を抑えることで病気が少しでも回復していく可能性があります。

この手法はあらゆる自己免疫で効果を発揮しそうですし、もっと研究が盛んになればいいと思います。とても明るいニュースですね。実用化されるころに自分の細胞が全滅してて治療が受けられないかもしれませんが。そうならないように、HbA1cは低く、1日の中の血糖値のアップダウンも小さくしておくことが大変重要です。残っている細胞に負担を掛けていては全滅が早まってしまいます。フラットなコントロールを。

貧血とHbA1c

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病院で貧血を疑われました。理由は「HbA1cが低いから」だそうです。

細かい検査をしましたが、結果は正常でした。黙っていれば不健康な病人だとはわかりにくいくらい、きれいな結果でした。

貧血にもいろいろあるので一概には言えませんが、HbA1cの意味を考えれば、貧血のせいでHbA1cが低く(血糖値のコントロールが良く)見えるのも当然です。本当のHbA1cは悪い状態なのに、貧血が原因で値が低くなり、血糖値のコントロールが良いと勘違いしてしまうのは怖いことだと思います。

様々な問題が起きていないかどうかを疑ってくれる主治医は、優しくて気の利くおばさん(失礼)です。

血糖値の最近の平均的な値を示すとしてHbA1cという数値が用いられていますが、これは実はJDSという名の日本独自規格で、アメリカのそれとは数値が違います。

「違います。」というか、日本だけ突っ走ってる感じです。これを廃止するそうです。数値的には単純に0.4%増えるだけみたいなので、現在4.9%の人は次から5.3%と書かれることになります。

日本糖尿病学会がアメリカのNGSP値を採用し、今までのJDS値はやめます!と言っているのでこの流れは止まらないでしょう。

そう言えば7月から糖尿病の新しい診断基準としてHbA1cが6.5%以上というのが追加されますが、これはNGSP値で、JDS値で言うと6.1%以上です。6.1%というと、まだ糖尿病と診断されていない人の中にもたくさんいる数値です。2型糖尿病患者が激増しますね。というか、1型糖尿病患者の中にはHbA1cが6%くらいで満足しちゃってる人もたくさんいるんですが、実際は診断基準になっちゃうくらいの異常値だったということですか。今まで病気を隠して就職していた人も、次の健康診断では「お前糖尿病じゃん!」とか指摘されるわけです。1型隠しても2型として掘り起こされます。

JDS値からNGSP値への移行は2012年4月だそうです。僕が利用している病院は来月あたりにはとっとと変わりそうです。もうHbA1c4%台になることはないので、ブログのテーマも見直さないと。

1.5AGって初めて見た

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糖尿病というと、HbA1cが低ければコントロールOK!みたいな感じで捉えられがちですが、いくらHbA1cが低くても、日内変動が大きくて、低い時間は60mg/dl、高い食後は180mg/dl!みたいな生活をしていると、全然まともにコントロールできているとは言えません。

1.5AGというものを見ると、血糖値が跳ね上がったり急激に低下したりを繰り返しているかどうかが少し見えるようです。ただ、糖尿病の患者はほとんどまともな数値が出ないそうで、検査する意味があるのかどうか疑問だとおっしゃる医師も多いとか。今回、主治医に奨められたので調べてみました。

男性だと15μg/ml以上(つまり、数値が低いとアウト)が基準だそうで、上は45μg/mlくらいだそうです。高血糖(大体180mg/dlくらい?)の状態になり、尿から糖が漏れ出すような日々を送っているとこの数値がどんどん下がり、ひどい患者になると7とか8、本当にひどいのになると3とか4あたりの場合もあるとか。

HbA1cが5%前後であることはひとつの目標ですが、低血糖と高血糖を繰り返すようなコントロールではなんの意味もありません。狭い範囲での変動に抑えられていなければいけないのですから、尿から糖が漏れない程度に生活できているのかどうかを客観的に見られる数値は魅力的かもしれません。

結果、16μg/mlでした。本当にギリギリセーフです。ちなみに、発症して以来、毎月の受診で、また、毎年の健康診断で尿糖が検出されたことは一度もない生活をしています。それでもこんなにギリギリなんですね。家族と同じものを食べ、家族の誰よりもおやつ食べまくっているのでこんなものなのかもしれませんが。

食後血糖値を見て、高かったら追加打ちで対処、という時代遅れなコントロールをしていた頃は、こうはならなかったと思います。最近では消化に時間が掛かる内容以外での追加打ちが本当に減りました。高血糖にならず、注射の回数も減るわけですから、多くの人に推奨される手法ではないかと思います。発症した頃は、その後しばらくで学んだ「スライディングスケール」が最先端に見えたものですが、今では時代遅れだなんて言われていますから、いろんなものが進歩しているんだなあと感心してしまいます。

以下の条件を満たす患者に限定されます。

  • 合併症がないこと
  • 過去5年間のHbA1cが5.6%未満であること
  • BMIが18~24であること
  • 体脂肪率が男性で20%以下、女性で24%以下であること
  • 非喫煙者であること、喫煙していない期間が3年以上であること
  • 飲酒していないこと、飲酒していない期間が5年以上であること
  • 年齢が50歳に満たないこと

厳しいような、厳しくないような、そんな条件です。

こういった治療法が確立されたとき、もし自分に合併症が既にあったり、血糖値や体のその他の管理ができていなかったりした場合、どんな気持ちになるでしょうか?また、タッチの差で年齢がオーバーしていたら自分にはどうにもできないことであるものの、やはり悔しいでしょうか。

どのような治療法にせよ、一定の条件が付くことは予想の範囲内です。それができる自分に可能な範囲であるなら、ぜひ満たして治療を受けたいと考えます。やればできる程度のことだったはずなのに、とひどく後悔するような生き方だけはしたくないです。

「治療法が発見されました。」という文章が、4月1日じゃなくても書ける日が来たらいいな、と思いつつ、今は自分にできることをやって行こうと思うのでした。エイプリルフール、あっちもこっちも冗談ばかり。1型糖尿病発症20年後の合併症発症率は100%に近いとも言われています。ちょっとした手足の神経のスピードの低下や勃起しづらくなるなどという症状は本人すら気付いていない場合も多いそうです。そう言えば、神経のテストなんて、発症して入院した時以来やっていないです。こっちはジョークになりませんね。コントロールすることで少しでも可能性を下げられるなら、やれることは全部やっておきたいです。

治療法が一般市民にも支払い可能なレベルで実用化されるのは、発見されてから何年も掛かるでしょうし、発見のニュースで喜んだところで、自分がその治療を受けられるかどうかはまた別の問題ですけどね。

ストレスによって血糖値が高くなるという話がありますが、病気でなければ血糖値が上がったりはしないのだろうと思います。

ストレスがあると血糖値を上げる作用のホルモンが分泌されますが、通常であればそれで上がった血糖値に反応してインスリンが分泌されるため、結果として血糖値は正常範囲に保たれます。

1型糖尿病の場合、このように食事や通常のホルモン分泌の予測からはずれた血糖値上昇の要因に対しては無防備であると言えます。自分でインスリンを分泌することができない(インスリンの自己分泌が残っている人は例外)のですから、計算外に血糖値が上がってきたら、それはそのまま上がりっぱなしになってしまいます。

ストレスなどで血糖値が上がると言っても、絶食状態なら血糖値を上げるホルモンがいくら分泌されても上がるわけないので、結論、蓄えてあるものが尽きればそれ以上は上がりません。よって、どんなにストレスがあっても、無尽蔵に血糖値が上がるわけではないので、ちょっと怒ったり興奮したりしたくらいで100mg/dlも200mg/dlも血糖値が上昇することはほとんどありません。せいぜい30mg/dl~50mg/dlがいいところで、それ以上上がるようであれば、それは偶然ストレスと重なっただけで、実際は食事の計算ミスか何かでしょう。

このように不安定で不確定な血糖値変動ですが、僕の場合暑さによって血糖値がじわじわ上がるのを実感します。すごくわかりやすいのが夕食前血糖値なのです。摂氏30度を超える気温の中移動したりしていると、夕前100mg/dlを超えていることが多かった7月・8月ですが、最近涼しくなったなと思ったら、途端に70mg/dl~90mg/dlに落ち着くようになりました。

平日の昼食はほとんどがお弁当なので、計算を外すことはほぼ100%ありません。つまり、夕食前の血糖値がはずれるとしたら、ほぼ昼食の計算ハズレではないと経験上言えます。平日の夕食前血糖値について振り返ってみました。100mg/dl以上だった回数をカウントします。

年月回数
2008年4月 1回
2008年5月1回
2008年6月2回
2008年7月8回
2008年8月6回

8月はまだ1週間残っているのでカウントが増えるかもしれません。こうして見ると、やはり7月から急に増えたのがわかります。昨年もこんな感じでした。夏でも雨などでピョコっと涼しい日があったりしますが、そういう時はやはり夕食前の血糖血が高くならずに済みます。

暑さによって血糖値がじわじわ上がるのですが、その影響を強く受ける時間帯は、昼食の超速効型の効力が低下~終了の食後4時間後以降辺りからのようです。そもそも中間型を寝る前に1回打つだけのスタイルでは、夕食前のこの時間帯に超速効型も中間型ほとんど仕事していないわけで、血糖値を上げるホルモンに活躍されてはなす術がありません。

いつもいつも暑さのせいで、一定で血糖値が上がるのが確定しているなら調整しやすいのですが、暑い日ばかりとは限らないので余計な調整を入れたがために予測をはずして低血糖というのはいただけません。なぜなら、この時間帯は自動車の運転をしている可能性が高いからです。運転に支障が出るような低血糖にはならないでしょうが、低血糖の症状を感じたらなるべく測定してからブドウ糖や砂糖を摂りたいと考えている以上、運転中は鬱陶しいです。

よって、暑さで多少高めになる分は、今は積極的に対処しないことにしています。昨年はその結果HbA1c5.2%まで上がりましたが、今年はどこまでいくでしょうか。9月、10月の検査結果が楽しみです。

自分なりの基準を持つという記事でHbA1cと血糖値の基準の表について書きましたが、本文の内容について以下のようなメールをいただきました。

HbA1cの値についてですが、健康診断でHbA1c5.2%で注意を受けました。結果票裏面の正常範囲の表を見ると、HbA1c5.2%以上でメタボリックシンドロームのチェックを受けるようです。「5.2%以上」で警告なので、「5.2%を超える」と警告ではないみたいです。BIZさんも確認してみてください。

メールありがとうございました。メールしてもらわなければ全然気付かなかったかもしれません。

冒頭で引用した記事では、

>HbA1cは5.2%を超えると*マークが付けられるようになりました。

と書きました。メールをいただいて確認したのですが、確かにメタボ警告の基準値は「HbA1c5.2%以上」と記載されていました。自分なりの基準をHbA1c5.2%までとしていたので、勘違いしていたようです。5.2%になった時点で*マークがつくので正解です。

ということで、会社の健康診断で注意を受けたくない僕は、自分なりの基準を改めなければならないということになりました。

 正常注意不可自己平均
HbA1c4.3%~5.1%5.2%~5.8%5.9%~4.8%~5.2%

[mg/dl] 最悪不可注意正常注意不可最悪自己平均
食前血糖値~3940~4950~5960~99------100~119120~70~80
食後血糖値~4950~5960~6970~130131~140141~179180~100~120

HbA1cについて変更しました。次の定期受診ではHbA1cが5.2%になりそうだと予想しているため、注意ゾーンへ突入ということになりました。これに伴って、従来の

  • HbA1c4.8~5.2%を目標に

というのは、

  • HbA1c4.8~5.1%を目標に

というように関連ページを修正していきたいと思います。HbA1c4.9%というのが自分の中では一番気分が良い気がしているのですが、秋くらいには戻るでしょうか。暑さが嫌いなので、涼しくなるだけでコントロールは良くなる傾向になるのですが。

深夜の低血糖

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深夜にふと目が覚めることがたまにあります。それは大抵の場合、眠りについてから1~3時間後くらいに起こります。

目が覚めたときに何の異常も感じることが無い時もありますが、強い不快感を感じることがあります。具体的には、

  • 腕~肩の虚脱感
  • 腕、胸、背中や腹の発汗
  • 動悸
  • 不安感や頭がハッキリしない感じ

これらの症状があります。感じる症状やレベル(血糖値がどれくらい低くなると感じるようになるか)は個人差があるので色々ですが、僕の場合は深夜目が覚める時には上記のような症状があり、その時の血糖値は低い時には40mg/dl台にもなります。大体40~59mg/dlで目が覚めるようです。

目が覚めた時には、自分が今低血糖で目が覚めたのかどうか、まずは体感的に理解しようと試みます。症状的に間違いないな、と判断できる時でも必ず血糖値を測定します。理由は簡単で、血糖値を見て必要最低限の砂糖しか摂取しないためです。血糖値のコントロールが悪い患者のブログを観察すると、多くの場合、低血糖の発生をきっかけにして血糖値を壊れたジェットコースターように激しく動かしてしまっています。無駄な糖を摂取することで、

  • 不必要な値まで血糖値を上げてしまう
  • 日々の食生活に計上されるはずではなかった余剰カロリーを摂取してしまう

血糖値も体重も体型も悪くしてしまう要素を抱えることになります。これではどれだけ毎日ちゃんと生活しているつもりでも結果(日々の血糖値やHbA1c)が出ません。まるで常に失敗しているかのような数値しか出ません。

低血糖の症状を感じた時にちゃんと血糖値を測ってから砂糖を飲むなどの対処をすることには大きなメリットがあります。それは、体感と実際の血糖値の関係について把握できるということです。低血糖が体感できなくなる恐ろしい状態・無自覚性低血糖はある日突然やってくるのではなく、徐々に体感できる血糖値が下がっていって、40mg/dl台や30mg/dl台になっても全然気付かないという体験が必ずあるそうです。これに気付かないのはなぜかというと、体感した時の数値の変化を知らないからです。よって、体感する度にきちんと計測しておけば、自分の体がおかしくなっていることに気付きやすくなります。今までにも何度か、このように体感できる血糖値がだんだん下がってきた経験があります。60mg/dl台、50mg/dl台後半でわかりにくくなり、体感した時にはもう50mg/dl前半になっていることもありました。これはしばらく高めの血糖値で過ごすことで元に戻せることに気付いたので、日々チェックを忘れていなければ心配しなくても大丈夫そうです。詳しくは別の機会に書いてみたいです。

そう考えると、夜目が覚めるのは困ったことですが、低血糖(危険ではないレベル)で目が覚めないで、自分では動けないレベルになって初めて目が覚めるであるとか、全く目が覚めずそのまま昏睡状態になってしまうとかに比べれば、まだありがたいことなのかな、と感じます。滅多にないからこそ言えるのでしょうけど。

普段から血糖値が高い人であれば、80~100mg/dlくらいでも低血糖の症状を感じるそうで、事実、僕も最初の入退院の直後、ひどい症状を感じた時の血糖値は90mg/dl台でした。今では90mg/dlなんて普通の、正常な血糖値じゃないかと笑ってしまいますが、当時は知識もなく、ただただ言葉でしか説明を受けていなかった初めての症状に必死で砂糖を飲んでいました。

今ではコントロールも良くなったため、血糖値が70mg/dlを切らないと低血糖の症状を感じることはありません。ゆっくりゆっくりと血糖値が低下しているときには65mg/dlくらいでも少ししか感じません。今は低血糖で砂糖かブドウ糖しか摂らないのは普通ですが、以前、低血糖で喜んでお菓子やパンをかじっていた頃はもうちょっと不安定でした。あの頃の自分に「おいしいものは低血糖じゃない時に、堂々と味わって楽しみなさい、バカ!」と言ってやりたいですね。

日本だけではなく、世界で血糖値の正常範囲・基準というものが揺らいでいます。ある時代には正しいと思っていた正常範囲でコントロールしていた結果、予想以上に合併症の発症率や死亡率が高くなってしまい、慌てて基準を引き上げたのでしょうか。

医師の考え方によっても、本当にバラバラです。僕は医師の異動が大変多い病院を利用しているので、主治医はコロコロ変わりますが、HbA1cひとつとっても意見はバラバラです。

あるおじさん先生は「HbA1cは6.5%を切っていればそれでいい。合併症になっても、目の出血なんかレーザーで止血したらいいんだ。」なんて言ってました。

自称1型糖尿病にも強いという30代の女医は「HbA1cは高くても5.8%までで踏みとどまって下さい。6%台では10年20年過ごす内にほとんどの人が軽い神経障害や眼底出血を起こします。」と言いました。この先生にはちょっと意地悪く、若く健康で何も問題がなかったとしたらHbA1cはどれくらいになるのか?と尋ねたところ、一瞬の迷いも無く「4%台ですよ。5%台になった時点でもう要注意です。」と即答しました。

それからしばらくすると、いつの間にか食前(食後3時間以内ではない時間)の血糖値の上限は99mg/dlに変わっていました。健康診断で100mg/dlを超えていると、結果表に*マークが付けられます。同様に、HbA1cは5.2%を超えると*マークが付けられるようになりました。

ほんの少し前までは食前血糖値は110mg/dlまで、HbA1cは5.8%までが正常でした。僕個人の感想としては、予想以上にタイトになったなあという感じです。会社の健康診断の結果は会社に公開されているわけで、1点の問題も指摘されたくないですからボケっとしていられません。

こうやって基準が変わる前からある程度予測はしていたので、僕は僕なりに一般的なそれよりも厳しい基準を設けてコントロールしてきました。

 正常注意不可自己平均
HbA1c4.3%~5.2%5.3%~5.8%5.9%~4.8%~5.2%

[mg/dl] 最悪不可注意正常注意不可最悪自己平均
食前血糖値~3940~4950~5960~99------100~119120~70~80
食後血糖値~4950~5960~6970~130131~140141~179180~100~120

自分の中では厳しくしていたつもりでしたが、少なくとも食前血糖値上限の99mg/dlとHbA1cの上限の5.2%は厳しくもなんともなくなってしまいました。今すぐ見直すということもないんですが、健康診断に引っかかるようでは困るのでほんの少しは考えた方がいいのかもしれません。

そう言えば暑くなってから夕食前血糖値が少し高めになり、たまに100mg/dlを超えています。今月の診察ではHbA1cが5.1%です。この調子だと来月は5.2%になりそうです。

1型糖尿病患者にとって、何かを食べる時に常に気にしなくてはならないのが、

  • どれくらいインスリンを注射したらいいの?

これに尽きます。これから食べようとしているものの栄養成分が明らかになっている場合なら、計算の方法もわかりますが、必ずしも表示があるとは限りません。予測して試すにしても、手掛かりすらない状態で闇雲にインスリン量を決めるのも危険です。重篤な低血糖や高血糖の原因は完全に計算からはずれているインスリン注射の使用です。大きくはずれれば死亡することもありますし、それが乗り物や機械の操作中であれば、自分だけではなく、家族や友人、そして無関係の人々に怪我をさせたり殺したりする可能性だってあります。そんなことになるくらいなら食べない方がマシです。

軽微な低血糖や高血糖であれば、それもデータ収集の内。今後の糧であると納得しつつ修正していけば済みます。よって、手掛かりとなる計算方法、情報があれば良いということになります。

栄養成分表示で「1個あたり」「1食あたり」という表現と共に良く見掛けるのが「100gあたり」という表現です。

「100gあたり、炭水化物21.4g」という表記があったとして、これはどのように応用したら良いでしょうか。「1個あたり、とか1食あたりで書けよな!プンプン!」という人もいますし、そういうブログも見掛けますが、見当違いな意見だと僕は考えます。

答えは簡単で、これこそ食べ物の重さと炭水化物の重さの比そのものです。上の例で言えば、21.4%だということです。誤差や個体差というのは否定できませんが、概算として、

  • 白米 37%
  • 食パン 50%
  • フライドポテト 32%
  • じゃがいも(水煮) 17%

このような例があります。これを知っておけば、例えば今日の朝食で食べる食パンの炭水化物は何グラムで、対応する超速効型インスリンは何単位なのかが計算できます。なんとなく食べたくなったフライドポテトだって目安となる計算ができるということです。

こういった計算は「100gあたり・・・」という栄養成分表示であれば、炭水化物の欄に記載された重さそのもののことを指しますし、「1食(240g)あたり炭水化物62.7g」という表記なのであれば、

62.7[g] / 240[g] = 0.261

と、26%だと計算してメモっておけば使えます。

話が簡単ではなくなるのが、食べ物は食材そのままで食べるばかりではない、ということです。加熱調理したりするわけで、水分量が大きく変わります。水分量が変わるということは全体の重量が変わるということになりますから、調理法によって適用すべき数値が違うという点です。

解決策は2点あって、

  • 生の状態でのデータを使い、調理前に計算しておく
  • 調理方法別のデータを使う

です。どちらも有効な方法で、知っておくべきです。後者は簡単で便利な分、情報量がとてつもなく多くなってしまいます。

しかし、心配は要りません。便利なものがあります。それがグリコ すぐわかる 栄養成分ナビゲーターです。「一般食品index」へ進み、調べたい食品の名前で検索します。そして、可食部100gを指定して計算するだけで、良くある調理法別に情報を得ることができます。

よく食べるであろう食材については「あれが何%、これが・・・」とメモっておくと良いです。

こだわり過ぎて、炭水化物の割合が1%や3%のものまで細かくメモって計算し始めると、ご飯食べるのが嫌になってしまいます。1%の割合のものを100g食べたところでどうせ炭水化物1gです。血糖値にして4mg/dl。もうどうでもいいです。そんなの誤差の範囲です。血糖値の測定器、誤差がどれくらい出ているのかを知っていれば笑って済ませられます。

よって、こういう計算をするのは、

  • ご飯、パン、麺類などのいわゆる「主食」と呼ばれるもの
  • じゃがいも、さつまいも、かぼちゃなどの炭水化物の割合が高い食べ物
  • おやつ

あたりに限定してはどうでしょうか。だいたいこれだけでも不自由しないものです。これだけでも知っているのと知らないのとでは天と地の差があります。血糖値の乱高下を繰り返し、HbA1cが5.8%を超えてしまうような人の多くがこういう計算を知らない、もしくは、無視しています。無視してコントロールが悪いのは本人の意思なので別にどうでもいいんですが、知らないで苦労しているとしたら悲しいことです。簡単なことなのでぜひ知って欲しいです。

こういう計算は食品それぞれの誤差や個体差は当然あります。ちゃんと計算したつもりでも少し外れてしまうことだってあります。外れてしまうなら無駄だと考えることもできますし、致命的な外れ方しないためには有効と考えることもできます。僕は後者の考え方です。

例えば、白米を37%で計算したら、どうしても血糖値が高くなってしまう、というのであれば、40%に修正してしばらく過ごしてみる、などの工夫ができます。そうやってデータを収集し、自分なりにカスタマイズしていけば、必ず自分にとって使えるものが構築されます。発症してから死ぬまでの長い期間使える情報ですから、コストパフォーマンスの非常に高い情報だと考えます。

発症というか、1型糖尿病が発覚した時、通常では考えられないレベルで血糖値が高い状態でした。携帯型の血糖値測定器で測定できる上限を超えているレベルです。人によっては意識が保てなくなることもあります。

入院したところでそれが簡単に下がるはずもなく、いや、下げようと思えば下げられますが、危険性も否定できないので甘めにコントロールされます。入院初日、2日目辺りでは、食前でも300mg/dlをオーバーしていました。食後では500mg/dlオーバーも見ました。測定上限が600mg/dlなので、測定できる範囲に入っただけでもマシなのですが。

7日間の入院、そして退院となったわけですが、その時の血糖値はどうだったかというと、食前では150mg/dl前後も珍しくなく、食後では280mg/dl前後もガンガン発生していました。

こんな調子では短い期間で合併症だな・・・と、焦りを感じました。

しかし、病院では2型糖尿病の患者に対するものと同じような、食事制限がどうのとか運動が大事だとか、実に役に立たないことしか教えられていなかったため、何をどうしたら良いのかわかりませんでした。

そこで、インターネット上で1型糖尿病でもコントロールを良い状態でキープしている人を探せば何かヒントを得られるのではないかと考え、必死で調べました。意外とすぐに見付かりました。発症以来ずっと、ほとんどの月でHbA1cが4%台の人のブログです。

この時の衝撃は今でも忘れられません。1型糖尿病では食事制限なんて必要がないこと、家族と同じものを食べ、食べるものに合わせて注射の使用量を自在に変更し、比較的自由にしていても血糖値はちゃんとコントロールしていける、その実例が目の前にあるのですから。

良い結果にも悪い結果にも必ず根拠がある。その人の何が素晴らしくてその結果が得られているのか、自分なりに考え、真似できる部分は真似することから始めました。

すると、2週間程度で食前血糖値は80mg/dl前後で落ち着き、食後もほとんどが100~120mg/dl程度で、140mg/dlを超えるような高血糖状態もほとんど見ることがなくなりました。

そして、退院から3ヶ月、やっとHbA1cが初めて4.9%になりました。それ以降、気候の変化にどう対応したら良いのかわからなかった時期などで5.2%くらいまで上がってしまったことはありますが、大体HbA1c4.8%~5.2%の範囲でキープできています。

以降、目標はHbA1c4.8%~5.2%、できれは4.9%でぴたっとキープ、と定めました。

食事が自由にできなくて困っている人や、いまいち血糖値のコントロールがうまく行かなくて困っている人は、自分の理想とする状態に近い人を良く観察することをお奨めしたいです。他人の良いところ、その根拠を自分で並べてみること、真似してみることは必ず役に立ちます。

まずは参考になる、コントロールの良い人のブログを定期的に巡回するところから始めるのが簡単です。

プロフィール

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ハンドルネーム:BIZ(ビズ)

1型糖尿病。30代で発症。超速効型(ヒューマログ)と中間型(ノボリンN)の注射を使っています。HbA1c4.9%前後(HbA1c4.8%~5.1%が目標)。低血糖はあまりないです。

…とは言うものの、食事や運動などに対する挑戦・失敗・反省は繰り返しています。データを集めて有効活用できれば失敗は無駄ではないと考えます。

毎食後、短時間で血糖値のコントロールと肩こり解消に高い効果があるオリジナルの「俺体操(オレタイソウ)」をしています。

腕立て伏せや腹筋を中心とした筋力トレーニングも続けています。各部位を7日に2回のスパンでやっています。頻度が低いので生活の負担にはなりません。

会社員として働いています。睡眠時間は4~6時間は取れるように努力してます。仕事は自分の病気の都合よりも優先されると考えますが、仕事が忙しいことを理由にコントロール・その他を投げ出すようなことはしません。

男性です。妻子有。結婚後に発症しました。子は発症前に生まれたもので、発症後に生まれた子はいません。

身長180cm、体重74kg。胸囲108cm、胴囲82cm。柔道初段。運動よりも勉強が得意なタイプですが、勉強よりも運動で表彰される機会が多い子ども時代を過ごしました。

趣味はドライブ、テレビゲーム。そして、30歳を過ぎてから突然目覚めたアニメ。

2chは割と見る方です。肯定的に捉えています。